Ptolemy Lab.

URSA MINOR - 小熊座

UMi : the Little Bear
紀元前3世紀頃のギリシャの詩人アラトスは、著書『ファイノメナ(Phaenomena、現象)』で、ディクテー山でゼウスを育てたニュンペーのキュノスラ (Cynosure) の姿であるとする話を伝えている。キュノスラはヘリケーと共に、ゼウスの父クロノスから匿ってゼウスを養育したことを称えられ、ヘリケーはおおぐま座に、キュノスラはこぐま座になったとされる。『ビブリオテーケー』の著者偽アポロドーロスは、ゼウスを育てた2人のニュンペーをアドラステイアーとイダとしており、それぞれおおぐま座をアドラステイアー、こぐま座をイダに見立てている。 カリストーの話を伝えるオウィディウスの『変身物語』や偽エラトステネスの「カタステリスモイ」では、アルカスはうしかい座となったと伝えられているが、1717年にイギリスのサミュエル・ガースが出版した『変身物語』の英訳書の中で、詩人ジョゼフ・アディソンによって「ゼウスによってアルカスがこぐま座に変えられた」と翻案された。日本ではこぐま座はアルカスが変身させられたとする話が主流となっている。